「狼の血 」鳴海章(光文社文庫) 960円は日本クライム・ノベルの「渇き」ではない乾いた新境地ではあるが、如何せんテンポが若干遅く、☆☆☆半である。
三日ほど出張に行ってきた。
新潟、大阪であった。来週は大阪へ行き、新潟まで飛んで東京へ戻る。翌々日からはモンゴルである。
現在、ipodを編集中である。意外にipodの編集には時間が掛かる。出張のためである。」
出張は苦楽を伴うものである。苦痛なのは新幹線。新幹線の座席は狭い。かといってグリーンに乗れば、私の場合、座席から滑り落ちそうになる。165cm、60圓離船咾任△襦
新幹線では、殆ど眠ることが出来ない。これは苦痛だ。ipodを聴きながら本を読むしかない。身体が自由に動かせない分だけ、読書に集中しなければならない。それだけ、面白い本が必要だ。
飛行機の中でならすぐに眠れるのだが…
出張には楽しみもある。定宿の近辺で、安くて美味い、居酒屋や立ち飲みを探しておく。ゆっくり飲んでホテルで時間を気にせず、ゆっくり読書に耽りながら熟睡する。時間が余れば、早めに飲んで早めに読書、入眠剤を飲んで熟睡。
夜中の、2・3時に起きて「ラジオ深夜便」をゆっくり聴く。また、二度寝が事の外、気持ちよい。
新潟では駅前の、会社の支店の真裏に「へぎそば」居酒屋があり、ここの刺身と「のっぺ汁」が絶品である。芋焼酎の湯割を飲みながら、最後はイカの天麩羅で締める。
大阪では、会社近くの天満橋のホテルを定宿にしている。このホテルの斜め向かいの立ち飲み屋が良い。
先ず、開店時間が早い。午後4時過ぎには開いている。生ビール290円、他の飲み物も全て290円。大阪名物の串揚げも全て100円である。
小さい店でカウンターと二・三の立ち飲みテーブルしかないが清潔で感じの良い店である。
大阪には喧しい、とかガサツとか、ネガティブなイメージが付いて周るが、大阪人の大半は大人しくて、心が温かい人が多い。
私も、23・4歳の頃に半年ずつ居たので、良く解かる。大人しい人が多いので、逆に喧しい奴、ガサツな奴が目立ってしまう。残念なイメージである。
この店の従業員さんは男ばかりであるが、皆さん、ソフトである。丁度、雨上がりに陽が射したイメージである。ホンワカと明るく温かい。
この店で、生ビールを1杯。泡盛の湯割を3杯、ポテサラに串揚げを7本食べて、丁度2000円。酔いが廻るには丁度良き定量である。
さてさて、「狼の血」であるが、この鳴海章という作家も多作である。
多作であるということは、よほどの手ダレでなければ駄作も多いということだ。
彼の作品で、どれが駄作か、などという野暮なことは言わないが、注意しなくてはならない。躓いてしまうと性質が悪い、作家だ。駄作も多い。
しかし、この「狼の血」は彼の新境地である。サラリーマンを描いたクライム・ノベルは数多いが、彼の描く人間は徹底的に乾いている。ヒーローでもなければイケ面でもない。
冴えない若いサラリーマンである。冴えない若いサラリーマンを主役にしたクライム・ノベルも多くあるが、この主人公は乾いている。
都会、東京、砂漠に会社と生活という、乾き。そして個人の何の変哲もない生い立ちから来る乾きがある。
決して「渇き」でもなければ、しらけにも当たらない。そして、暗い闇のような狂気が凶器と共に暴発する。
読書中も、読後も「青春の殺人者」(1976年 ATG作品 監督・長谷川和彦 脚本・田村孟 ・主演 水谷豊 )を若い頃観たときの気分に似ている。
しかし、あの映画の衝撃には比べるべくもなく、70%の気分ではあるが…
私は「青春の殺人者」はジャボン・ノワールの最高峰であると思っている。「復讐するは我にあり」「太陽を盗んだ男」など大好きな作品は多々あるがその話は別の機会にということで…。
「狼の血」は712ページという分厚いものである。しかし、一日で読んでしまった。読ませる力があるということだ。
しかし、SEX描写など必要なかった。つまらない。
それに、ストーリーのテンポは速いが何故か、語り口が間延びしていているのが欠点である。そこが残念!
惜しくも☆☆☆、おまけして半分プラス。決して損はしませんよ。音楽ならPANT&HALの「マラッカ」に入っている、「つれなのふりや」をイメージして下さい。
PANT&HALは98点であるが、「狼の血」は74点かな~。取り敢えず、☆☆☆で70点です。
新潟、大阪であった。来週は大阪へ行き、新潟まで飛んで東京へ戻る。翌々日からはモンゴルである。
現在、ipodを編集中である。意外にipodの編集には時間が掛かる。出張のためである。」
出張は苦楽を伴うものである。苦痛なのは新幹線。新幹線の座席は狭い。かといってグリーンに乗れば、私の場合、座席から滑り落ちそうになる。165cm、60圓離船咾任△襦
新幹線では、殆ど眠ることが出来ない。これは苦痛だ。ipodを聴きながら本を読むしかない。身体が自由に動かせない分だけ、読書に集中しなければならない。それだけ、面白い本が必要だ。
飛行機の中でならすぐに眠れるのだが…
出張には楽しみもある。定宿の近辺で、安くて美味い、居酒屋や立ち飲みを探しておく。ゆっくり飲んでホテルで時間を気にせず、ゆっくり読書に耽りながら熟睡する。時間が余れば、早めに飲んで早めに読書、入眠剤を飲んで熟睡。
夜中の、2・3時に起きて「ラジオ深夜便」をゆっくり聴く。また、二度寝が事の外、気持ちよい。
新潟では駅前の、会社の支店の真裏に「へぎそば」居酒屋があり、ここの刺身と「のっぺ汁」が絶品である。芋焼酎の湯割を飲みながら、最後はイカの天麩羅で締める。
大阪では、会社近くの天満橋のホテルを定宿にしている。このホテルの斜め向かいの立ち飲み屋が良い。
先ず、開店時間が早い。午後4時過ぎには開いている。生ビール290円、他の飲み物も全て290円。大阪名物の串揚げも全て100円である。
小さい店でカウンターと二・三の立ち飲みテーブルしかないが清潔で感じの良い店である。
大阪には喧しい、とかガサツとか、ネガティブなイメージが付いて周るが、大阪人の大半は大人しくて、心が温かい人が多い。
私も、23・4歳の頃に半年ずつ居たので、良く解かる。大人しい人が多いので、逆に喧しい奴、ガサツな奴が目立ってしまう。残念なイメージである。
この店の従業員さんは男ばかりであるが、皆さん、ソフトである。丁度、雨上がりに陽が射したイメージである。ホンワカと明るく温かい。
この店で、生ビールを1杯。泡盛の湯割を3杯、ポテサラに串揚げを7本食べて、丁度2000円。酔いが廻るには丁度良き定量である。
さてさて、「狼の血」であるが、この鳴海章という作家も多作である。
多作であるということは、よほどの手ダレでなければ駄作も多いということだ。
彼の作品で、どれが駄作か、などという野暮なことは言わないが、注意しなくてはならない。躓いてしまうと性質が悪い、作家だ。駄作も多い。
しかし、この「狼の血」は彼の新境地である。サラリーマンを描いたクライム・ノベルは数多いが、彼の描く人間は徹底的に乾いている。ヒーローでもなければイケ面でもない。
冴えない若いサラリーマンである。冴えない若いサラリーマンを主役にしたクライム・ノベルも多くあるが、この主人公は乾いている。
都会、東京、砂漠に会社と生活という、乾き。そして個人の何の変哲もない生い立ちから来る乾きがある。
決して「渇き」でもなければ、しらけにも当たらない。そして、暗い闇のような狂気が凶器と共に暴発する。
読書中も、読後も「青春の殺人者」(1976年 ATG作品 監督・長谷川和彦 脚本・田村孟 ・主演 水谷豊 )を若い頃観たときの気分に似ている。
しかし、あの映画の衝撃には比べるべくもなく、70%の気分ではあるが…
私は「青春の殺人者」はジャボン・ノワールの最高峰であると思っている。「復讐するは我にあり」「太陽を盗んだ男」など大好きな作品は多々あるがその話は別の機会にということで…。
「狼の血」は712ページという分厚いものである。しかし、一日で読んでしまった。読ませる力があるということだ。
しかし、SEX描写など必要なかった。つまらない。
それに、ストーリーのテンポは速いが何故か、語り口が間延びしていているのが欠点である。そこが残念!
惜しくも☆☆☆、おまけして半分プラス。決して損はしませんよ。音楽ならPANT&HALの「マラッカ」に入っている、「つれなのふりや」をイメージして下さい。
PANT&HALは98点であるが、「狼の血」は74点かな~。取り敢えず、☆☆☆で70点です。