昨晩の二枚、今日の一冊:阿佐ヶ谷ビパップの伝説、小川高生を聴く。
昨晩、聞いたCDです。
小川高生 (as) 吉田桂一 (p) 白鳥利卓(b) 山口浩右(ds) 1999年7月19日、8月27日同録音
ほとんど自主発売に近い形で3枚のレコードを発表している小川高生の2枚のCD。彼のジャズは、敢えて言えば「ホット・ビパップ」阿佐ヶ谷のビパップの伝説といえる。
誰もが抱くJAZZの懐かしさの中で、ひとつ芯の通った、新たなビパップの伝説の誕生を捕らえている。
誰もが抱くJAZZの懐かしさの中で、ひとつ芯の通った、新たなビパップの伝説の誕生を捕らえている。
これほど日本人で、ビパップを日本人のものにしたプレイヤーを知らない。
例えば、渡辺貞夫のビパップは日本人のビパップではない。やはり、外国のビパップである。小川高生は阿佐ヶ谷、東京の夜のビパップを奏でる。
確かにバッキングプレーヤーも良い。日本を代表する老若のバップ・プレーヤーが揃い、小川のバッキングに撤している。
小川の良さは、バリーハリスにJAZZメソッドを叩き込まれたこと。日本に於ける、バリーハリスの申し子である。
どちらが如何の、という問題ではないのは明確だ。しかし、ナベサダは本当にクールビパップを極めたのだろうか。私はまだ聴きながら自問している。
しかし、小川高生とそのグループはホットビパップを極めていると思う。
同時代の今津雅仁(ts)は完成度は高いがナイーヴさに欠ける、多田誠司(as,ss)は荒削りでパワフルであるが完成度に欠ける。
吉田桂一・ベテランの山口浩右、白鳥利卓(b)の控えめさがコラボレーションの粋を極めていることに注目したい。でも、この二枚の入手が難しいのが残念である。