ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

Cecil Taylor/Looking Ahead! 真夏になると植草甚一さんのジャズエッセイが読みたくなる~「夏だなあ~、真夏だなあ…」

イメージ 1

イメージ 2

 今晩は、9時には八重洲で仕事が終わるので、早めに帰宅すれば、11時からNHKFMの「よみがえる伝説 クロスオーバーイレブン2005 -熱帯夜-(4)」を聴き、0時から「きたやまおさむのレクチャー&ミュージック セレクション」(ゲスト:香山リカ)を聴く予定です。

 実は昨晩、「きたやまおさむ」さんを聴きそびれてしまったのです。今晩はクロスオーバーイレブンのクロニクルがあるので、是非とも聴かねば…です。

 しかし、真夏に「熱帯夜…」という響きは良いなあ~と思います。

 また、真夏になると不思議と植草 甚一(うえくさ じんいち)さんのジャズエッセイが読みたくなります。

 何ででしょうか?植草さんご自身の文体が、真夏のアスファルトの照り返しでボーッとなった頭に響くようなスタイルだからでしょうか。

 ついつい、真夏日が続くこの頃、またまた数多(アマタ)ある植草本から、1983年の8月に河出文庫から発売された「植草甚一 ジャズ・エッセイ1(バップ時代のジャズ・レヴォリューション)」を引っ張り出して読んでいます。

 この本も大分古ぼけちゃったけど、植草さんご自身のカヴァーコラージュが素敵なんですよね。粟津潔さんも最高です。

 植草さんは1908年(明治41年)8月8日生まれの明治人で 、 1979年(昭和54年)12月2日にお亡くなりになりましたが、私も一度だけ間近でお見かけしたことがあります。(あっ、お茶の水でもお見かけしたな~)

 たぶん、セシルテイラーの二度目の来日のとき、たぶん1975年だと思います。東京厚生年金会館でお見かけいたしました。

 細身のドピンクの三つ揃い、真紫のYシャツに黄色のペイズリーのネクタイでした。

 しかし、本当に小柄な御爺ちゃんでしたね。目立つ!目立つ!

 そのときのユニットはセシル・テイラー 、 ジミー・ライオンズ (TS)、 アンドリュー・シリル? (Dr) だったと思うのですが…

 初めて生で聴くセシル・テイラー。第1部は期待どおりの叩きつけるような怒濤の演奏。 ジミー・ライオンズ の中途半端なブロー!?マアマアの演奏でしたが、第2部はセシルのバレーのような変な踊りと調子っぱずれの歌、ヴォイス!?で唖然としたものです。

 ただ、アンドリュー・シリルかどうか今となっては自信がないのですが、抜群にDrの変拍子が良かったことが印象に残っています。

 植草さんのジャズ・エッセイにもたくさんセシルテーラーが出てきますが、所謂、最も強烈に当時1960~1970年代にジャズメンに影響を与えたピアニストであったと言う評価です。

 その事はおいおい書くとして、先ずは聴いてみる事でしょう。

 てなわけで、「Looking Ahead! Cecil Taylor」です (contemporary/1958)


 セシル・テイラー(p)アール・グリフィス(vib)デニス・チャールズ(ds)ブエル・ネイドリンガー(b)と言うメンバーで、ちなみにこの数ヶ月前には同じくコンテンポラリー・レーベルでオーネット・コールマンのデビュー作「Something Else」が録音されてます。

 この西海岸のレーベルがよりによって同じ年にオーネットとセシル・テイラーの録音をしたというのがミソですね。

 コンテンポラリー・オーナーの面目躍如ですね。

 のちのフリー・ジャズの先導師となるオーネット・コールマンセシル・テイラーの最も初期の録音が、ウェストコースト・ジャズの代表レーベルであったコンテンポラリー・レーベルだったと言うのは、意外ですが、そのあたりの事情は植草甚一さんのエッセイでよく触れられる点ですね。

 てなわけでこのアルバムですが、「Jazz Advance」(56年)、「At Newport 57」(57年)につぐ3枚目のアルバムになります。

 しかし、このアルバムは真にセシル・テイラーにしては鮮やかなキレのある爽やかさを持った作品に仕上がっています。

 セシル・テイラーの音楽は62年あたりから急激に進化し変化を遂げて、強烈なピアノストンプを持って数々のブローと共にカオスの世界に突っ込んでいきます。

 しかし、だからといって50年代の初期セシル・テイラー音楽が発展途上であった訳では絶対にありません。

 これがセシルテイラーのパラレルワールド的な当時の完成された姿だったのです。

 そこから、質的進化を遂げるのは少しずつ、アルバムを聴きこんでからに致しましょうよ。

 このアルバムを何度も聴きたくなり、何度聴いても素晴らしい、今聴いても十分に新しく、セシルテイラーの姿を表現して余りあるアルバムではあります。

 ちなみに、このアルバムでは、アール・グリフィスというヴァイブが加わっています。実に珍しい事ですが、この御仁が強烈な印象を発揮しています。

 演奏の中軸をカタチづくっているのですね。そして、ミステリアスな雰囲気をかもし出しているのです。つまりは真夏の夜のカクテル・ラウンジ演奏も可能であるということです。

 他に録音に残ってるものでヴァイブが加わっているものは、88年FMPでのベルリン・ライブ・セッションの「Concrete」しかありません。その点も興味深いアルバムです。

 真夏には、セシルテーラーかもしれません…!?

1. Luyah! The Glorious Step
2. African Violets
3. Of What
4. Wallering
5. Toll
6. Excursion on a Wobbly Rail


☆☆☆★:薫柳堂日誌は忍者ブログで更新・公開中です。:宜しければ、Google検索で!

 http://kunryu.blog.Shinobi.jp/ 
  shinobiは小文字で!お願い致します。