これぞ至福の時…読売日響:定期演奏会
久々に「これぞ至福の時…」という時間と空間を味わった。
ルトスワフスキ/交響曲第4番は正に精巧なる現代音楽であり、アバンギャルドであった。打楽器のコラボレーションに管楽器、弦楽器が絡み合い、溶け合う。あるときにはお互いに距離感を持ちながら上昇気流のように空間に千切れ飛んでゆく。
まさに群雲である。
特に、本題の、交響曲第3番(ノヴァーク版)は55分に及ぶ前編演奏で楽器が踊るようにそれぞれが独立し、また共鳴しあい空間に舞い上がる、その音は圧巻の一語に尽きるものであった。
しかし、また第3番とは驚きである。曲中にワグナーとの交流を表す部分が散見される作品である。
しかし、これほどの至福を味わったことはない。クラッシックは何時、聴いても新鮮で、そして斬新であった。
これこそが古典の古典たる所以であり、歴史の中に輝く金字塔であるのだ。