ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

2008年を締め括る3冊の本(その1):「金融大崩壊―アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書) 」水野 和夫氏著…この本一冊で日本経済全てが解かる

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 今朝の朝刊は「トヨタ『連結営業赤字1500億円ー通期予想下方修正:1年で2兆円超減』」で始まった。

 これでトヨタ、キャノン、ソニーダイハツ、スズキを始めとした輸出産業メーカの非正規雇用労働者の切捨て、徹底した人員削減の言い訳が立った訳である。
 
 例えばこうである。「トヨタ自動車は22日、世界的な販売不振を背景に09年3月期の連結決算(米国会計基準)の業績予想を下方修正した。売上高を前期比18.2%減の21兆5000億円(従来予想23兆円)としたほか、営業損益は1500億円の赤字(同6000億円の黒字)、最終(当期)利益は同97.1%減の500億円(同5500億円)となる。トヨタの営業赤字は記録が残る1941年3月期(当時は単独・半期決算)以来初めて。連結営業損益は前期の実績に比べ約2兆4200億円も落ち込む。…」と。

 しかし、トヨタの08年3月の本決算を見れば明らかなように当期利益 1,717,879百万円、 1株当たり利益(EPS)、540.65円 利益剰余金 12,408,550百万円 と言う数字。

 「余剰金12兆円といってもトヨタクラスの規模なら半年程度の運転資金にもなりません。」とのたまうバカドモも多いが、キャノンの例をとっても1~12月の一年間で5800億円の連結営業利益を見込んでおり、9月末の社内剰余金は3兆3000億円を超えている。また、この一年間の増加分は約2800億円に達しているのである。

 仮にキャノンの約1700人の非正規雇用社員の雇用維持に必要な額はその増加分の1.2%に過ぎず、正社員化して雇用を維持するにも十分な余剰金も体力も持っているのだ。

 資本は過酷ではなく姑息なバカ犬である。まともな言い訳もできない。数字の前には舌をゼーゼー出すバカ犬供である。

 もっともトヨタの支配者・豊田章一郎は以前「マスコミの厚生労働省への批判は目に余るものがある このまま続くので有れば スポンサーを降りる等の手段も有り得る」とマスコミを恫喝し、それ以来マスコミ特にテレビはトヨタ批判は一切控えトヨタの代弁者・資本の走狗と成り下がってしまったが…

 キャノン御手洗のクソ野郎の発言などものかはと、同じクソ溜め資本屋のトヨタ奥田取締相談役はエゲツナイ。「マスコミに対して報復でもしてやろうか。スポンサーを引くとか~」とまさにテロリストさながらの昆虫顔のテロ宣言である。

 何が世界のトヨタか!?なにがキャノンか!?クサレ蛆虫ドモが…

 もっともっとカネが欲しい。死ぬほど欲しい。自分のカネと余剰金を死守するためには社会などどうなろうともかまわない。資本の意味を歴史上から抹殺する勢いである。

 資本が社会的存在であるにもかかわらず資本家が社会性を失い、ゼロサムの中でより深い利益追求をするが余り今日の未曾有の世界恐慌を齎す事を看過したのが前著「人は何故グローバル経済の本質を見誤るのか」。

 水野和夫氏の今著「金融大崩壊―『アメリカ金融帝国』の終焉 」は、この5年間で一京円のストックを溜め込んだ資本がサブプライムローン問題に始まり、“リーマン・ショック”で爆発した世界金融クライシスに臨んでいること。米国型「投資銀行」ビジネスモデルの崩壊とともに、天文学的なマネーが流動する世界の資本主義経済が、次の新しいステージに突入したこと。そしてこの未曾有の金融クライシスの本質と、世界と日本のこれからを解読し、いかなる方向性と政策を採るべきかを示唆している。

 先日、水野氏にお会いしたときにはこの本の中であげている、三つの方策、①円高政策②食糧自給率の上昇政策③輸出価格を引き上げるための産業構造の転換、の他にもう一つ 雇用確保と賃金値上げを主としたインフレ政策の重要性を語っておられた。まさに至言である。

 曰く労働分配率の劣化がもう一つの要因であると…
 
 いかにせよ、この一冊で凡百の世迷言経済本は読む必要がなくなるのである。