ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

ITとカーストインド・成長の秘密と苦悩:伊藤洋一を読む

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 なかなか、面白い興味深い本だった。伊藤洋一はTVで見るというより、
ポッドキャストで良く聴いている。

 ジャーナリスト経験、ニューヨークでの為替ディーラーの経験で、的確な経済情勢の分析を身近な視点で語ることができると言う、稀有な存在であると思う。

 この本にはいろいろな評価があると思うが、社会と経済の活力の源泉は教育であると言う重要な視点を、明確に打ち出している点で大いに評価できるものである。

 インド滞在や取材期間の短さ、聞き書き程度のルポということを自身もオープンにしており、素直な視点で嫌味はないが、数々の間違いも多い。

 不可触民をカースト制度の最下層と紹介する箇所が出てきたり、あるいは優遇制度を利用して大学に入った不可触民出身の学生たちが字が読めないためにドロップアウトしてゆくなどという件も認識の違いがある。

 インドに象徴的に現れている、経済成長を享受する人々と、その恩恵を受けない圧倒的多数の貧困層との乖離の現実を、政治の話も含めて、全世界経済的な視点と社会的視点に据えられている点などを考えると、鋭く筋の通った切り口だけに残念である。

 経済成長の過程にある、大国インドと経済成長の果てに、貧富の差が広がり、経済階級的に分化して脱出口が見出せない日本を比較検討することは重要である。

 以前からも、ラジオ日経伊藤洋一氏が繰り返していた点である。

 やはり日本はアジアに視点を置き、教育立国にそしてインテリジェンスを輸出する国にならなければならないのいである。

 この視点は寺島実郎氏に通じる。