ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

またまた、もう一枚の大阪万博ヨーロッパ・ジャズ・オールスターズ:ROOM1220(ルーム1220)

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ujasさんのご質問から、色々考えていたのだが、そう言えば、大阪万博関連のCDをもう一枚持っていたことを失念していた。上の写真のROOM1220である。

 私が持っているのは、1993年の独盤(KONEEX KCD 5037)である。しかし、実は他にも存在しているのである。

 日本では、CDが2003年08月27日にAbsord Music Japan から発売されている。(写真下)これは、1971年に1月にトリオからRSP-9014として、2,000円で発売されたLPのリ・イシュー盤である。

 ただ、当時の説明もイイカゲンで、LPのクレジットは ジョン・サーマン(SS.Bkl.Ts.Bsax)、アルバート・マンゲルスドルフ(TB)、フランシー・ボーラン(P)、ダニエル・ユメール(D)、ニールス・ヘニィング・オルステェド・ペデルセン(B)エディ・ルイス(ORG)となっていた。

 この演奏には、実はフランシー・ボーランは参加しておらず、エディ・ルイスがピアノを弾いているのである。

 しかし、不思議なのが、スイング・ジャーナル誌、1971年2月号の木全信さんのレコード評である。相当な辛口批評なのだが、フランシー・ボーランの大胆なピアノタッチが聴きものである、と書いてある。木全さんが正しいのか、それともイイカゲンだったのか。

 木全さんの評には前年、万博時に来日したのが9月と書いてある。明らかなミスである。

 私は、何度も聴いているのだが、どうもピアノとオルガンが同時に演奏に参加しているふうは無いし、ピアノは少しは演奏するのだがボーランのタッチではないのである。それともCDにトラックダウンした際にピアノを消し去ったのか。

 それも、在り得る事である。

 2003年のCDクレジットはもちろん訂正されている。エディルイスがピアノとオルガンを弾いているのである。録音は1970年の8月30日・31日であり、日本で録音されている。プロデュースはヨアヒム・ベーレントと油井正一さんである。

 ところが、私の持っている、CDは1970年の10月録音となっているのでり、プロデューサーはベーレント一人である。さてさて、不思議なことがあるものである。

 どちらが本物か?答えは明白である。8月録音が正しいのであり、何らかの事情で、ヨアヒム・ベーレントが適当にクレジットしたのであろう。

 それとも、フランシー・ボーランとの契約が上手くいかず、クレジットから消し去ったのか。

 それも在り得る事である。

 まっ、いずれにしても、この業界では良くあることか。ましてや、ヨアヒム・ベーレント氏絡みになると。

 しかし、1971年1月に発売されたLP盤を是非とも聴いて見たいものである。このアルバムは相当にフリーの色が濃いが、タイトル・チューンのルーム1220のサーマンとマンゲルスドルフのデュオは大いに、聴き応えがある。ルーム1220とは当時、この二人が赤坂東急ホテルに泊まっていたときのルームナンバーだそうだ。

 また、二曲目、三曲目も万博ホール録音に引けを取らない演奏である。このアルバムは全曲マンゲルスドルフがコンポーザーになっているので、もう少し、自分たちの好きなこと、そしてやりたい事をやっている気がした。自由闊達な演奏である。

 下手にまとまるメンバーではない。またまとめようとも思っていないであろう。

 そうなると、万博ホールコンサートはフランシー・ボーランがオフィシャル・コンポーザーであったことを考えると、この作品にはボーランは参加していないというのが正解であろう。ボーランはフリーはやらないからね。たぶん。

 :同時期録音ではもう一枚のLP、「さび」(YS-2506・1970年8月27~29日録音)があります。これは聴いたことがあるのですが、ずいぶん、ROOM1220とは趣が違います。聴き易く、日本への憧れをエディ・ルイスがコンポーズしたものでジョン・サーマンダニエル・ユメールのトリオ演奏です。曲目は1、アワー・カインド・オブ・サビ 2、ザフェ・コ・イダ 3、ソング・フォー・マーチン 4、アウト・オブ・ソーセラリーの四曲です。

 ★ROOM1220(曲目):ROOM1220/ TRIPLET CIRCLE /MY KIND OF BEAUTY
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 ※ ☆☆☆:ujas様からのご教授で、真相がわかりました。John Surman自身のディスコグラフィーで以下のような記載がありました。

Note: The Konnex CD gives the recording date as October 1970.

all composed by Albert Mangelsdorff

recorded August 30, 1970, Tokyo

Albert Mangelsdorff, trombone; John Surman, baritone saxophone; Eddy Louis, piano on 2, organ on 3; Niels-Henning Ørsted Pedersen, bass on 2; Daniel Humair, drums on 2
               (2008.1.14 15:54 Ishibashi Kaoru)