『銀界』のなかで…追悼・山本邦山氏
山本邦山氏が亡くなりました。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
山本邦山といえば『銀界』、何処まで行っても『銀界』…、そして2月10日、銀界の東京で亡くなられました。
『銀界』は1971年の作品です。菊地雅章、ゲイリー・ピーコック、村上寛という、絶妙なコラボレーションの中で、朗々と、あるときは切なく、あるときは侘しく、あるときは寂しく、あるときは粛々と尺八を吹いておられました。
「これがJAZZ!??」などと(じゃあ、一体なにがJAZZなんだい?)発表当時は言われたものですが、その後の日本のJAZZシーンに多大な影響と衝撃を与えた作品でした。
私も当時は高校生になったばかり。しかしこのLPを購入して何度も何度も聴いたものです。日曜のNHKFMで児山紀芳氏が絶賛したものでした。
1971年度、スイング・ジャーナル「ジャズ・ディスク大賞」日本ジャズ賞は『牡牛座の詩 ニューハード+冨樫雅彦』、『銀界』はペイサージュに続き第三位でした。第五位が金井英人先生の“Q”。第六位がポエジーでしたので、如何に評価が高かったか分かるでしょう。
時代はジャズ・ディスク大賞金賞が『ウエザー・リポート』、銀賞が『アルバート・アイラー・ラスト・レコーディング Vol.1&2』。
何度も何度も聴きました。『銀界』を聴きながら、高校の修学旅行“京都”の計画を練ったものです。
竜安寺の石庭、驟雨(古都の夏の日の雨)、沢之瀬…
今でも、CDを枕もとに置き、愛聴しています。スタンダードボッサも良いけれど…やはり、銀界です。山本邦山全集も良いけれど…
人間国宝も良いけれど、JAZZシーンの山本邦山氏です。76歳でした。