近来稀にみるカタルシス映画の真骨頂!!:『今度は愛妻家』は☆☆☆☆☆
ご無沙汰をいたしました。
一度、糸が途切れるとなかなか戻ってこれないものです。
寒いところへの出張続きもあったのですが、心が千切れて、磁場へ引き寄せられる重力が軽くなってしまいました。
難しい本の読みすぎもあったのですが…
さて、薬師丸ひろ子フリークの私としては見逃すことができない映画を昨晩観て参りました。
「仕事も家事もせず、妻への愛情も微妙なダメ夫と、そんな夫を献身的に支える健康オタクの妻が織り成す、ハートフルな夫婦のドラマ。」これ全部ウソです。騙されないように~
だから、興行成績悪いのですね。
いやはや、最高のカタルシス映画でした。
私はアリストテレスのカタルシス論を待つまでもなく、舞台芸術ではなく、映画芸術こそ、暗闇の中で2時間も観る者を拘束し、感覚を遮断し、外部情報を削り、臨場の場を最高の場に高め、観る者の魂を崩壊感と墜落感で満たし「おそれとあわれみ」を来すことで浄化を起こすものであると考えています。
ですから、私は映画館に大枚を払いながらも足を運ぶのです。
崩壊感と墜落感を浴びて、映画と自己同化する事により、日常の浄化を図るのです。
しかし、なかなかこのような映画に出会えることはありません。
早々、忘れてはいけません。小津安二郎…。
シネ・ノワールではありません。解っていただけますよね。
映画はこうあってほしいですね~
日本映画の早くも今年のベスト・ワンかも~