森口豁の沖縄通信の集大成「だれも沖縄を知らない(27の島の物語)」は深く深く胸を抉る。
楽しい童歌となり、愛されているのです。
さて、森口豁氏の沖縄通信の集大成「だれも沖縄を知らない(27の島の物語)」です。
一つ一つの物語が鋭いナイフの切っ先となって、無知なる自己の暗闇に穴を開けるのです。
基地の事、開発援助の偽計と欺瞞。差別と棄民の永い歴史…
貧困と水不足、医師なき島々の悲惨さは言うに及ばず、ハンセン氏病患者さんたちの惨たらしい歴史の有様…
己が歴史と日本の歴史、政治と経済の偽証に思いを馳せない訳にはいきません。
日米同盟、日米安全保障条約に浮かれる日本人と政治家、経済者に対する告発のノンフィクション・リポートです。
こんな言葉が出てきます。
<沖縄をこんなに苦しめているのは誰なんだ。ヤマトではないのか。いつまでも基地だけ押しつけて。また戦争になったらわしらがまっさきに犠牲になるんですよ>
<沖縄は薩摩に搾りとられ、ヤマトに搾取され…>
月並みであるように思えるが、胸を突きます。