ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

今は無きTBM(スリー・ブラインド・マイス)レーベルは転換と躍進の1970年代日本のJAZZの金字塔である。“SUMMER TIME/ 山本剛トリオ(TBM)”

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 本日アップする、この一枚は、オラッチの中学校の先輩、山本剛さんの“SUMMER TIME/ Live in5Days in Jazz 1976/TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO”です。
 
 今朝から、旅行・出張?の準備をしながら、TBM(スリー・ブラインド・マイス)レーベルのアルバムを聴き続けてきました。
 
 TBMとは藤井武先生が1970年に設立したマイナーレーベルです。しかし、その果たした役割は大きく、全くと言ってよいほど、レコーディングの機会がなかった、当時の無名の意気の良い若手JAZZメン達を探し出し、オリジナル曲をも取り入れたアルバムを吹き込みリリースすることで日本のJAZZに大いなる変転と躍進をもたらしたのでした。

 ミネ/ 峰 厚介  ナウ/ 今田 勝 ・デビュー/ 植松 孝夫
セカンド アルバム/ 峰 厚介  ディギン/ Albert Mangesdorf
 Q/ 金井 英人  エンカウンター/ Alan Plaskin
Yellow Carcus in the Blue/ 笠井 紀美子・峰 厚介  銀巴里セッション
 フリー・フォーム組曲/ 高柳 昌行  ココズ・ブルース/ 和田 直
ゴー・オン/ ジョージ大塚  Blow Up/ 鈴木 勲
 Fine and Mellow/ 戸谷 重子  Live/ 日野 皓正
Morning Flight/ 福村 博  Step/ 宮本 直介
 Unforgettable/ 中本 マリ  横浜コンサート/ 今田 勝・戸谷 重子・森 剣治  Midnight Sugar/ 山本 剛 etc、 etc…
 
 実に、今を時めく颯爽たる面子が揃っていることがお解かりかと思います。他にも、森山浩二、後藤芳子、水島早苗さんなどのヴェテランヴォーカル陣。宮間利之とニューハード、高橋達也と東京ユニオンなどのビッグ・バンドJAZZ。
 
 忘れてはいけません。現代音楽の雄、水野修孝さんやブルースオルガンの達人、酒井潮さんや加藤崇之さん、大ファンのPeggy's Bloue Skylightの山中 良之さんもあります。全リリースタイトルは、マイナーレーベルながら154タイトルに及びます。
 
 TBMなしには日本のJAZZは語ることが出来ないことがお解かりかと思います。しかし、そのTBMも藤井武さんの多大なるご苦労とご尽力にも拘らず、崇高な理想と共に倒産。2006年4月には跡形もなくなってしまいます。
 
 私は幸運なことに、倒産時に在庫処分の通知を頂き、手元になかった何枚かのアルバムを手に入れることが出来ましたが、あと残すところ18タイトルは手元にはありません。

 現在、入手が困難になっていることは日本のJAZZ界にとっては大きな損失に他ならないと思います。再販の何らかの方法が見つかればよいのですが…。

 さて、山本剛さんは、このTBMに合計11枚のアルバムを吹き込んでいますが、私はこの“SUMMER TIME/ Live in5Days in Jazz 1976/TSUYOSHI YAMAMOTO TRIO”が演奏も録音も最高であると考えています。
 
 山本剛さんは無類のブルース好きですが、バラードに、その真価と本領を発揮します。それも、スタンダード・バラードに山本剛らしさが大いに現れるのです。
 
 力強いピアノタッチとヴィヴィドな感性、粘り強く、アッケラカンとして突き抜けたグルーヴ感をそのJAZZの創意の中に持っています。
 
 非常に個性的であり、かつJAZZの本質、本流の中に自らの感性を位置づける。決して日本人とかアジアとかを感じさせるのではなく、しかし聴けばすぐに山本剛のJAZZであると解かる、飛びぬけた明るい個性を持っているのです。
 
 その類稀なる個性と躍動する山本剛のピアノはこのアルバムで一気に開花しました。バッキングも最高です。
 
 ドラムスは守新治さんです。ベースが大由彰さんです。大由さん、最高の演奏をしています。大由さんは、ピチカートとアルコソロをいれて空間を揺り動かすかのような強烈なビートを刻み、山本さんの個性を引き出しています。大由さんのその気合の入った唸り声も最高です。

 まさにライヴの醍醐味を余すことなく伝えていますし。LPもCDも小鉄徹さんのマスタリング技術には恐れ入ります。

 山本剛さんの個性はそのJAZZの歴史に拠るところがあるのかもしれません。
小学校時代にはピアノを習い始めたらしいですが、中学・高校とブラスバンドや軽音楽部に没頭しました。高校時代(A・Aこと間章氏の明訓高校のいっこ下)はJAZZ狂で有名。独学・自学自習でJAZZピアノをマスターしました。

 つまりは、山本剛さんのJAZZは曰く独学・自学自習と自分の好みに忠実と言う個性から形作られているのです。そして、そのルーツはアート・ブレーキーでした。“モーニン‘”と“ブルース・マーチ”に目覚めて?JAZZピアノに走るとは正に類い稀なる新潟人の個性です。

 解かります。このアルバムの全曲に山本剛さんの当時の到達点の全てが溢れています。傑作です。是非とも、JAZZ通の方もこれからJAZZを聴き始める方にも聴いて頂きたい一枚です。
 
 新潟市と言えば、同郷の神戸在住の友人N・Y君から昨晩メールを貰いました。相変わらずの山歩き、紅梅見学など羨ましい限りの健康で風流三昧の日々を送っているとの事でした。彼曰く、新潟市出身者には『イチゲーコキ』が多いとのこと。

 さてさて、山本剛さんのJAZZもそうかもね~!