ryukyutokyoのブログ:JAZZと哲学と…

DJ.PANK_kunryu (Dj.薫琉)です。東京ヴェルディと沖縄をこよなく愛する、酔っ払い🥴パンクスです。1955年3月新潟市生れ新潟高校ジョリー・チャップス、上智大探検部出身。40年間勤務した職場を大怪我、肝機能障害、糖尿病、過緊張症で退職しました。現在、アルバイトをしながら療養中です。ゴールデンカップス他GS、freeJAZZ、ムードコーラス歌謡

渋さ知らず、にビックリ!竹村一哲にビックリ!大塚寛之にビックリ!そして、片山広明!

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 歳をとると、何かと忙しいですね~。

 野暮用が多くなり、つまらない付き合いも多くなる。時間が無い割には、週末や、休日が潰れる事が多いものです。

 しかし、エイヤッ!とばかり、何かと断りの口実をつけ、自分の時間を作ることが大切だ。

 そんな訳で、昨日の日曜日は「国立パワー・ジャズ2007」に勇躍、出かけてきた。

 一橋大学の兼松講堂が会場。と、いっても学園祭ではない。一橋大学の学園祭は今週末から始まる。

 時間を間違えて、早めに行ったのが幸いし、前から2列目の席を確保することができた。珍しく、同年輩や私より先輩の年齢の方が多い。嬉しいことである。

 先ず、一組目は「石田幹雄トリオ、マイナス1featuring林栄一」である。林栄一さんは本当に久しぶり、私より5歳年上である。大分、風貌は変わられたが、まだまだ、若い。

 林さんの吹くアルトは力強さに定評がある。かつて、山下洋輔トリオで随分、聴いたものであるが、変わっていない。もっと粘りとこしが付いてきて、メロラインも複雑になってきた感がある。

 歳をとってからの老獪なバイタリティでトリオをグイグイ引っ張る。やあ~素晴らしい演奏である。

 また、札幌から来た、石田幹雄(piano)さん、ドラムの竹村一哲君も凄い。この二人は石田幹雄トリオを中心に活動しているのだが、その筋では結構、有名である。

 今年の「横浜JAZZプロムナード」で大ブレーク。竹村一哲君は若干17歳。またもや、天才ドラマーの出現である。

 札幌ではベテランの福居良さんのトリオにも所属。パワフルでテクニックに長けたドラミングは圧倒的である。強いて言えば、左足のハイハットの使い方が若干物足りない。次に出演した、峰厚介5の村上寛さんを見習うとよい。左足の動きが絶妙である。

 しかし、石田幹雄さんといい、竹村一哲さんといい、たいへんな、JAZZMANが出現したものである。

 さて、峰厚介5のパーソネルは村上寛(dr)大口純一郎(p)岡田勉(b)秋山一将(gr)である。

 現在、峰さんは大概、このメンバーで活動をしているらしい。真にベテラン揃いの手ダレメンバーである。

 パワーあふれるモダンJAZZを重く、かつ軽快に力強く演奏してくれた。さすがに、岡田さんや村上さんは外見的に大分、老けたようだが、なんの、なんの彼らのJAZZに対する厳しさ、激しさは20代のときから一向に衰えを見せない。岡田さんのベースも村上さんのドラミングも、モダンJAZZ魂を大いに燃え上がらせ、テクニックの全てを賭けて、これでもかこれでもかと聴くものを挑発する。

 聴衆を若返らせていくのである。

 峰さんのテナーは聴くたびに充足感と安定感を増していく。「モーニング・タイド」でデビュー以来、一歩一歩、着実に、そして野太く、大木のように進化を遂げていくようである。

 秋山一将さんのギターを聴くのは何十年ぶりであろうか。なかなか、アンプとエフェクターのチューニングが気に入らないらしく、最初のうちはアドリブの時間が短かったが、中盤からレイジーな秋山リフを聴くことができた。

 この二つのバンドには、20代で私が経験した、高円寺AZ SOON AZ、新宿PITINNで聴き、経験した激しく、汗をかく、モダンで、泥くさいJAZZに浸ることができた。

 さて、さて「渋さ知らず」である。イヤハヤもう~ビックリ仰天!!近来稀に見る、いや体験するパワーJAZZである。

 素晴らしい!これは、もう、実際に聴いて、観て、経験しなくては解からない集団即興BIGBANDである。

 即興と言う言葉を使うと誤解されるかもしれない。即興は与えられた限られたスコアゾーンで行なわれているのだ。

 不破大輔さんの巧妙に仕掛けられた、JAZZラインとメロディーライン、大きく複雑に変化するリズムのなかで、雄叫び、咆哮する楽器の数々。あるときはリリカルにあるときは宇宙空間にまで、突き抜け飛んでいくような、単管楽器。

 この音楽を表現をするすべを知らない、自分自身が情けない。

 強いて言えば、サン・ラ、アート・アンサンブルオブ・シカゴ、セシルテーラーユニットをソニークラーク・フランシーボーラン双頭バンドに叩き込んだようだ。

 また、ツィンギターが泣かせる。向かって左が斉藤“会長”良一、右が大塚寛之である。バカテクの二人。うまい、とにかく上手い。なかなか、この手のギタリストに出会うことが少ない。掘り出しモノですよ。ホント。

 特に大塚寛之はまさに、現代日本のデュアンオールマンである。いやはや、
リッチー・ブラックモアかな。怪物君であった。

 片山広明さんは相変わらず、良い意味で変わらない。バリバリ吹いて吹いて吹きまくる。「そーかなぁ」である。

 片山広明さんを初めて聴いたのは、私が17歳のとき。今は無き、新潟のJAZZ喫茶「JAZZ-ママ」である。今は亡き、野坂恒如さんが新潟JAZZクラブを再開し、初めての企画ライブが沖至トリオであった。メンバーは沖さんとジョー水木さん。そして若き日の片山広明さんである。

 当時の片山さんは若干21歳。國學院大學のJAZZ研に所属し、ヤマハのライトミュージックコンテストにロックバンドで出場し。千葉県大会で審査員だった北村英治氏に絶賛されて特別賞を獲得。大学の先輩の沖至さんに引っ張られて、沖至トリオに参加したばかりでした。

 当時は紅顔の美少年。長髪でかなり、細かったですね。沖さんや、ジョーさんの演奏にも度肝を抜かれましたが、(なんせ、私も17歳)片山さんのサックスにも度肝を抜かれたものでした。

 いまでも、セプテンバー・リボリューションや 水槽にペットを突っ込んで沖さんがペットを吹く“Aporia”は耳に残っています。今から35年前のことですが。

 一緒によく覚えているのが野坂恒如先生が、いつも私に優しくかけてくれた言葉である。「いつでも、家にいらっしゃい。レコードが沢山あるから、それでJAZZを勉強したらいい。」

 JAZZはやはり、勉強するものなのだ。「渋さ知らず」を目の当たりにして考えた。

 機会があれば、いや、機会を探して「渋さ知らず」を体験してください。

*:写真は国立パワージャズ2007の「渋さ知らず」のステージです。後半戦には林栄一氏が参加し、片山広明さんとバトルを繰り返した。