映画「空気人形」を観たのでひとこと~是枝作品としては今ひとつですが…是枝監督、ペ・ドゥナの今後に大いに期待!
ギンレイホールで「空気人形」を観ました。
期待の程は、「誰も知らない 」「歩いても歩いても」の是枝裕和監督作品であったこと。
これだけでも期待できるでしょう。
まあ、しかし…
不発ですかね~
先ずは是枝裕和監督の脚本の不味さ。キャスティングが良すぎて?所謂「宝の持ち腐れ」状態が画面一杯に出ていました。
今までの是枝作品のような切れがなく、曖昧さが氾濫する作品となっていました。
つまりは、キャスティングに頼りすぎたのではなくキャストを使いこなせなかったと言うところでしょうか。
ARATAにしても板尾にしても、スクリーン上に狂気をぶちまけることのできる類まれなる俳優です。
彼らを狂気に導くことができなかったことがこの映画の艶が消された状態を生み出しています。
それゆえ曖昧模糊とした映画である、という印象が最後まで拭いきれませんでした。
真に残念です。
その中で、光り輝いていたのがペ・ドゥナでした。
これからの韓国映画界を背負って立つ才能人です。これだけの手ダレを周囲に配しながらも他者を圧倒する演技。そして美しさ。悲しみの表現…。
台詞回しの絶妙さ。なかなか日本の若手女優には居ない逸材です。
抜群です。是枝監督の才能ゆえでしょうか。
ペ・ドゥナ起用の才は是枝監督の面目躍如でしょうね。
今後を期待したいと思います。
☆☆☆(今後に期待します)